葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。

レビュー

ミステリー賞を総なめしたという本作は、確かに文章がうまく、読み始めるとぐいぐい引っ張られる読み応えのあるエンターテイメントであり、人間の先入観を覆すような小説です。

アマゾンのレビューで言われているように、最後の最後に明らかにされる小説のトリックはかなり驚かされるものですが、個人的には「あーそう来たかーやられたなー」という感じの壮快なエンディングではなく、「えーそれはないでしょー」と残念に思う類のものでした(個人的な感想なので)。

小説を効果的にするためのトリックというより、トリックを活かすための小説という皮肉な構造になっている感じがして、多少残念です。面白い小説であることには変わりないんですが。